|
|
「影武者 徳川家康」(隆慶一郎)、書評「一夢庵風流記」、「捨て童子・松平忠輝 」などと並ぶ、隆慶一郎 氏の長編歴史小説の一つ。 関が原の戦いの際、本物の徳川家康は死んだとの仮説の下、家康に成り代わった主人公 世良田二郎三郎を主人公に物語は進んでいく。 一般に徳川秀忠は、家康の影に隠れ、おとなしく控えめな性格の人間として認識されているが、本書では、その認識が真っ向から覆されており、凶暴で野心的な危険な男として描かれる。 物語は家康死後の秀忠と世良田二郎三郎との間に繰り広げられる心理的、戦略的な攻防を中心に進んでいく。 関が原以後の家康を影武者と見る、一見、乱暴な設定。だが、読んでみればその設定に違和感を感じることはないだろう。 氏のテンポのよい文章は猛烈に面白い。 なお、「一夢庵風流記」を原作として、週刊少年ジャンプで「花の慶次」という漫画が連載されたが、本書 「影武者徳川家康」もまた週刊少年ジャンプで一部連載された。(完結はしていないらしい。)
|
Copyright(C) 2002 - Mitsuharu Matsumoto All rights reserved.