「兎の眼」(灰谷健次郎)、書評
灰谷健次郎 氏は、「太陽の子」、「海の図」、などで知られる日本を代表する児童小説作家の一人であり、「兎の眼」は、それらへと続く灰谷健次郎
氏の処女作である。
新卒の先生である小谷先生と、処理所に暮らす子供達、或いは、教員ヤクザ、足立先生などといった個性ある教師達との心のふれあいとを通して、本当の教育の意味や職業差別などの大きな問題について問い掛けていく。とかく重く、読みにくいテーマになりがちな難しい問題を、具体的な出来事を交えながら、会話形式で切り崩していくため読みやすい。
「兎の眼」にとどまらず彼の文章は、常に児童小説作家に相応しい平易な文章ではあるけれど、彼の描く各小説には一貫して深い主題が含まれている。
小説中の小谷先生と回りの子供達との間の出来事の記述には、17年の小学校教師としての実体験に裏打ちされた深みがあり、そのような珠玉の出来事に多く彩られた「兎の眼」は、読了後も読む者の心に長く残るに違いない。
文庫
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兎の眼(文庫)
灰谷健次郎の作品
太陽の子(文庫) 海の図〈上〉彷徨の海(文庫) 海の図〈下〉波浪の海(文庫)
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出版社/著者からの内容紹介 新卒の教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校で一言も口をきかない一年生の鉄三。心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だが、周囲とのふれ合いの中で次第に彼の豊かな可能性に気付いていく。
内容(「BOOK」データベースより) 大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。
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